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長期就労者のいる職業領域はどこか

職業領域と長期就労の関係を探ってみた。発達障がいの特性が仕事に適正があったり、不適応があった場合に関連が示される可能性があるからだ。

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 残差分析の結果、統計的に有意な差が出たのは、事務(負の関係)、営業、調査・研究、機械作業(正の関係) が見られた。事務が長期就労につながらないのは、事務の仕事内容にあると考えるよりも、事務には非正規雇用が多いためであろう。非正規雇用は短期雇用に結びつきやすく、そのため事務職も長期雇用には結びつきにくい。一方で、営業、調査・研究といった仕事は正規雇用が多い分野である。
 したがって、ここの分析で得られた結果は「職業形態」「職業内容」といった職業の性質や、障がいの特性との適性だと捉えるのではなく、職種に多く見られる雇用形態が短期・長期雇用に影響を与えていると考えた方が合理的である。
 このデータからは特定の職業と長期・短期雇用は結びついているが、それは「職業形態」「職業内容」と結びついているものではないと考えるのが妥当であろう。

■ 参加者の年齢と性別
■ 就労継続期間
■ 雇用形態
■ 長期就労者のいる職業領域はどこか
■ 自閉症スペクトラム指数と作業の苦手さの関係性
■ 成人期のADHDの自己記入式症状と苦手意識
■ 長期雇用に結びつく要因
■ 転職経験がある人の転職理由
■ 就職活動の際に利用したことのある機関