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自閉症スペクトラム指数と作業の苦手さの関係性

 本会議では、診断の有無と共に、自閉症スペクトラムを自記式質問紙で判断することのできる、自閉症スペクトラム指数(AQ-J-10)と成人期のADHDの自己記入式症状チェックリスト(ASRS-6-J)にも答えてもらっている。この尺度の詳細については最後に記述する。
 自閉症スペクトラム指数(AQ-J-10)と作業の苦手さ意識の相関関係を分析した。数字は相関係数であり、その意味するところは1が最も強い関係があり、0は関係がないということである。統計学的に有意な差があるものを黒のグラフ(0.1%水準)で表示し、それに準じる水準(10%水準)をグレーで示した。

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 ほとんどの作業で自閉性が高いほうが苦手意識は高いようであるが、作業を正確にすることや期限を守るといった苦手意識は比較的弱い。加えて、情報収集をすることに関しては、苦手意識はないと考えられる。
 コミュニケーションや臨機応変な対応を求められることは、自閉症スペクトラム障がいである者にとっては苦手である結果がでている。これは以前から指摘されてきたことであり周知のことである。しかし、情報収集をする、作業を正確にする、期限を守るといったことは許容できる範囲であるようだ。自閉症スペクトラム障がいがある者の就職を考える際には、苦手な作業はできるだけ少なくし、情報収集をする、作業を正確にする、期限を守るといった許容できる作業を中心とした仕事を確保する、もしくは作り出していくことが有効な対策となることが示唆された。

■ 参加者の年齢と性別
■ 就労継続期間
■ 雇用形態
■ 長期就労者のいる職業領域はどこか
■ 自閉症スペクトラム指数と作業の苦手さの関係性
■ 成人期のADHDの自己記入式症状と苦手意識
■ 長期雇用に結びつく要因
■ 転職経験がある人の転職理由
■ 就職活動の際に利用したことのある機関