「発達障がいの特性を活かせる職場環境とは ~届け!発達凸凹100人の声~」
10月13日(日)13:30~17:30
大阪府咲洲庁舎44階大会議室
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10月中旬3連休の日曜日、発達障がいの当事者が一同に集まってグループワークをするという日本初(!?)の試みを行いました。 参加者は発起人の声掛けで集まった、原則として発達障がいの診断を受け、現在就労している当事者約100名です。 |
「発達障がいの支援が始まって10年経つか経たないかの今、まだまだ理解は追いついていない現状。私たちが今まで失敗を重ねて得てきた工夫や対処法などを、もっと伝えていきたい。一般の企業で困っている人たちの役にも立つのでは…」 当法人の代表広野ゆいの挨拶から始まりました。 |
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ファシリテーターは、NPO法人場とつながりラボhome’s viの嘉村賢州氏。彼も当事者の一人で、当法人の昨年度の事業で作成した冊子にもご協力いただきました。 |
まずは、イベントへの「チェックイン」です。
・自己紹介
・自分の凸凹ひとつ
・今の気持ちをひとこと
この3つについて、グループ内でそれぞれ自己紹介をしてもらいました。
その後、いよいよグループワークの開始です。
▼プログラム▼
第1部 「こうすれば上手くいく!発達凸凹の仕事」
第2部 「理想の職場環境を探る」
ハーベスト 「職場環境を改善し凸凹を活かすために大切な事10カ条」
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第1部「こうすれば上手くいく!発達凸凹の仕事」
当事者が普段苦手に思っていることや失敗してしまうことについて、自分なりの工夫や対処法について、ワークをとおして意見を出し合ってもらいます。
・スケジュール管理
・カミングアウト
・上手なホウレンソウ ~報告・連絡・相談~
・場の空気を読むには
・もう恐くない!電話対応
・社内でのコミュニケーション~上司・同僚との関わり方~
・片づけと整理整頓の工夫
・ミスを減らすには
・優先順位のつけ方
・事務処理の乗り越え方
・上手な仕事の覚え方
事前に発起人会議で選ばれた11テーマでグループに分かれました。
1.苦手(だった)・失敗エピソード
2.工夫してうまくいったこと・改善したこと・周りに協力してもらっていること
3.うまくいった理由・成功、改善のポイント
この3点についてそれぞれのエピソードを付箋に記入し、その後、各テーブルのみなさんで共有してもらいました。
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当日参加者の皆さんから実際に集まった事例の一部を紹介します。
【片づけと整理整頓の工夫】
< 苦手・失敗>
書類の整理ができず、机の上が書類の山になる。
< 工夫・改善点>
書類の整理が大変なのでデータのまま保管
< ポイント>
データで保管することで少しでも整理するものを減らす。
【社内コミュニケーション】
< 苦手・失敗>
雑談しながら仕事することが苦痛
< 工夫・改善点>
「話すと作業が止まる」ということを周りに認識してもらう。一人で作業できる仕事を進んでやるようにした。
< ポイント>
そのかわり、休憩中での会話や、退社後のメールやLINEなど、会社の外でコミュニケーションを図ることができた。SNSも活用した。
このように、当事者のみなさんがそれぞれお持ちの成功談、生の声をたくさん集めることができました。
第2部「理想の職場環境を探る」ワールドカフェ
凸凹があってもイキイキと働ける職場環境をみんなで探求する。
1.そもそも私たちの可能性が全く発揮できない最悪な職場環境とは?
2.私たちが能力を発揮できる職場とはどんな職場?
・企業には最低限ここだけは押さえてほしい
・こんな会社があれば最高!
以上の2テーマについて、模造紙にイラストや図なども交えて、自由に意見を書いてもらいました。
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ハーベスト「職場環境を改善し凸凹を活かすために大切なこと10カ条」
第2部の話し合いをもとに、以下のことについて意見をまとめてもらいました。
・企業への提言 ~発達凸凹が活躍できるために大切にしてほしいこと
・私たちの宣言 ~私たちひとりひとりがイキイキと働くために、
私が大切にしていきたいこと(心がけるべきこと)
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後日、これらをもとに10カ条をまとめます。
※100人会議後も続けて発起人会議を開催し、「ハーベスト」の成果をまとめ、10カ条を作成しました。
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最後はイベントからの「チェックアウト」ということで、今日の感想などをひとり一言ずつ述べてもらいました。
これで本日のプログラムは終了です。
このころには、ちょうど夕日が…。
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海に面したビルの高層階が会場だったので、最高のロケーションです。 |
約3時間半の長丁場、皆さんのご協力のおかげで大変充実したものになりました。
ご参加いただいた皆様、ご協力いただいたスタッフの皆様、本当にありがとうございました。